意外としらない? ホワイトニングについて④

こうざき歯列矯正クリニック 歯科医師の山口です。

昨今、審美歯科治療の代名詞ともいわれる「ホワイトニング」は歯科だけでなく、美容分野でも欠かせない分野となっています。また、「ホワイトニング」という言葉に明確な定義がないため、口腔ケア商品として市販されているホワイトニング用歯磨剤、研磨剤や洗口剤でも歯科治療で行うのと同じ「ホワイトニング」に分類され、幅広く認知されています。最近では、美容院やエステサロンでもホワイトニングを取り入れているところも徐々に増えてきているようです。

 

ここで疑問なのが、通常歯科医院で行われるべきはずの「ホワイトニング」を美容院やエステサロンでもできるのか?ということです。

 

今回は歯科医院で行うホワイトニングと、サロンで行うホワイトニングの違いについてお話します。

 

もちろん、歯科医院で行われているホワイトニングと同じことを、美容院やエステサロンでは行うことはできません。それは、歯科で使用するホワイトニングの薬剤には「過酸化水素」という歯科医院でしか扱うことのできない危険物第6類に分類される劇物が使用されているためです。

 

歯科における歯を白くするメカニズムは以前お話しした通り、過酸化水素を使ってエナメル質から象牙質表層まで達して着色した色素を分解します。つまり、薬液が歯の内部に入り込んで、歯の色を根本から漂白できる「本当のホワイト二ング」というのは、歯科医院でしかできないことになります。

 

それでは、美容業界で行っている「ホワイトニング」とは何なのでしょうか? 

 

歯科医院以外で使用されているホワイトニングの薬剤は「ポリリン酸」です。

ポリリン酸は色素分解酵素の一つで、食品添加物としても、冷凍食品、ハム、ソーセージなどにも使用されることもあり、劇物等の使用制限をされていないために誰でも使用することができます。このポリリン酸は、とくに有効なキレート作用を有しますが、過酸化水素のように象牙質の近くまで入り込むことはなく、エナメル質表層の色素のみ分解するため、一般的にはその効果は小さいといえます。

 

したがってポリリン酸は、歯科医院において歯の表面をクリーニングする程度の効果+αしか期待できませんが、過酸化水素でのホワイトニングよりも大きな利点として、痛みがないため、無痛ホワイトニングとしての一選択肢となることでしょう。

 

過酸化水素は前述したように、象牙質まで薬剤が浸透すると考えられますが、その証拠として薬剤が象牙細管を刺激するために痛みが生じます。一方のポリリン酸は表層に留まるために、痛みが生じないというわけです。

 

過酸化水素を使用してホワイトニングを行い、メインテナンスとしてポリリン酸ホワイトニングを行うと、ポリリン酸は再着色を抑える効果が高いと報告されているため効果的といえるかもしれませんね。

 

次回は、ホワイトニングの後戻りについてお話します。

 

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