手術で治す矯正治療

こうざき歯列矯正クリニック、院長の神崎です。

噛み合わせのズレは大きく分けて2種類あります。
1つは、歯が生えている位置に不調和がある状態、もう1つは上のアゴと下のアゴの骨、つまり歯並びの土台である骨に大きな不調和がある状態です。

後者の場合、歯の移動だけによる矯正治療では不調和の改善に限界があるため手術が必要になる場合があります。

アゴが上下・左右・前後に大きくズレている状態を「顎変形症」といいます。
これは上下のアゴそのもののアンバランスに原因がある不正咬合です。
こうした不正咬合の場合、「前歯でものを噛み切る」という歯本来の機能が大きく損なわれていることが多く、見た目にもコンプレックスを抱いている方が多いようです。

程度によりますが、成長期の子供であれば矯正歯科治療のみでアゴの成長をコントロールし、骨格に問題のある歯並びを改善していくことができる場合もあります。
しかし、骨の成長が終了している大人では矯正歯科治療だけでは十分な治療結果が得られない方も多くいます。
矯正治療単独ではアゴの形を変えることはできません。

そこで選択肢として挙げられるのが、矯正歯科治療に外科治療(アゴの手術)を組み合わせた外科的矯正治療と呼ばれる方法です。

外科的矯正治療では、私たち矯正歯科医が関連病院の口腔外科医と協力・連携しながら治療計画を立て、矯正歯科治療と外科手術を併せて行います。

矯正治療単独で治療が可能か、もしくは外科手術が必要か、どちらの方法が良いかは一概に判断することはできず、個々の患者さまにおいて毎回検討を重ねることが必要です。
その際大切なことは、患者さまの訴える治療目的に対しどちらの方法がよりふさわしいかを我たち矯正歯科医がガイド役として判断し、治療方法による違いを分かりやすく説明することです。
例えば、下アゴが前突していることを主訴とした患者さまに対し、矯正治療単独で受け口を治したとしても患者さまの満足を得ることはできません。
このような場合では外科的矯正治療を選択し、噛み合わせと同時に下アゴの突出にもアプローチすることで初めて患者さまにご納得頂ける結果を導くことができるのです。
逆に、いくら良好な噛み合わせの改善が見込まれるとしても患者さまが外科的矯正治療を望まなければ、矯正治療単独で可能な限り対応する必要があります。
方法、期間、費用、問題点についてなど明確に説明し、最後は患者さまの意思により治療方法を決定することが重要です。

外科的矯正治療における手術は10〜14日ほどの入院が必要で、手術の前後に術前矯正と術後矯正をそれぞれ行うことになります。
治療の開始から終了まで、通常の矯正歯科治療より長い期間がかかる場合もあります。

外科的矯正治療はあくまで機能改善(噛めるようになること)が目的であり、見た目の改善は治療の対象ではありません。
見た目については、アゴのズレを改善し噛めるようになった結果、見た目も変化したという付加的なものでしかありません。
より審美的な改善を求める場合、治療の目的が「顔の美観を改善したい」という場合は、矯正治療とは別の計画として、美容外科医と相談して頂くことになります。
(当院からの美容外科医の紹介はありません。)
「アゴの形は現状のままで良い」と云う場合は、矯正治療単独で標準的な歯並びや噛み合わせに近づける治療を行います。
アゴの形の非対称が少ないほど、標準的な噛み合わせに近付ける事が可能となります。

外科的矯正治療に関しては、「顎口腔機能診断施設」の届出を出している施設に限り、 健康保険が適用されます。
その場合には、口腔外科での外科手術や入院費用も健康保険の適用となります。届出を行なっていない施設では、同じ外科手術であっても自費扱いとなります。
顎口腔機能診断施設の届出を行っているかどうかは最初に確認しておきましょう。
なお、いずれの場合も、高額療養費の対象となるため、申請をすればかかった医療費の一部が返還されます。
但し、入院時の部屋代、食費、歯科材料における特別料金、先進医療の先進技術部分などの負担については、対象外となります。​
高額療養費については厚生労働省のホームページなどでご確認ください。

ヒトの顔の形は、十人十色です。
あなたに合った方法を考えましょう。

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