歯科技工士の仕事とは?矯正装置・マウスピース・保定装置を支える専門職の役割

成人矯正・小児矯正に対応。
横浜市都筑区、センター北駅徒歩1分。

コラム

歯科技工士の仕事とは?矯正装置・マウスピース・保定装置を支える専門職の役割

今回は、患者様からは見えにくい「歯科技工士の仕事」について、特に矯正歯科との関わりを中心にお話しします。

矯正治療は、歯科医師が診断し、治療計画を立て、歯を動かしていく医療です。
ただ、その治療を支える装置の製作には、歯科技工士の専門技術が深く関わっています。
歯科技工士は、銀歯や入れ歯だけでなく、矯正装置、保定装置、スポーツ用マウスピース、インプラントの上部構造、顎顔面補綴なども製作する国家資格の専門職なのです。

こんな方におすすめの記事です
  • 矯正治療を受けている方
  • お子様の歯並びや噛み合わせが気になる保護者の方
  • マウスピース型矯正装置や保定装置について知りたい方
  • 歯科技工士の仕事に興味がある方
  • 歯科治療の裏側を知りたい方

矯正治療の「見えない部分」を支えている歯科技工士

歯科技工士について、「銀歯や入れ歯を作っている人」というイメージを持っている方は多いと思います。
それは間違いではありません。
ただ、歯科技工士の仕事はそれだけではありません。
矯正歯科の現場でも、歯科技工士はとても大切な役割を担っています。

矯正治療では、次のような装置が使われます。

  • 拡大装置
  • 保定装置、リテーナー
  • マウスピース型装置
  • 小児矯正で使う取り外し式装置
  • ワイヤー矯正に関連する一部の装置
  • スポーツ用マウスピース
  • 顎顔面補綴に関わる特殊な装置

これらは、歯科医師の診断と指示に基づいて、歯科技工士が製作・加工することがあります。

矯正治療というと、患者様は「歯を動かす治療」と考えると思います。
その理解で大きくは間違っていません。
ただし、歯を計画的に動かすには、診断、設計、装置、調整、そして治療後の保定が必要です。
その中で、装置を実際の形にする専門職が歯科技工士です。

矯正歯科での歯科技工士の役割

歯科技工士は、歯科医師の指示に基づいて、矯正装置や保定装置などを製作・加工・修理します。
矯正歯科では、患者様一人ひとりの歯並び、顎の形、噛み合わせ、成長段階を見ながら治療を進めます。
装置も既製品をただ入れればいい、というものではありません。

代表的なものとしては、次のような装置があります。

  • 床矯正装置
  • 拡大床
  • リンガルアーチ
  • トランスパラタルアーチ
  • 保定装置、リテーナー
  • クリアリテーナー
  • ホーレータイプのリテーナー
  • スポーツ用マウスガード
  • 顎顔面補綴に関わる特殊装置

ここで大切なのは、歯科技工士が治療方針を決めるわけではない、ということです。
診断するのは歯科医師です。
治療計画を立てるのも歯科医師です。
歯をどの方向へ、どの程度、どの順番で動かすかを決めるのも歯科医師です。
そのうえで、歯科医師の技工指示に基づいて、歯科技工士が装置を製作します。

歯科技工士は「歯を治療する人」ではありません。
治療に必要な装置を、精密に形にする専門職です。
この違いは、患者様にも正確に知っておいていただきたいところです。

マウスピース型矯正装置も歯科技工士が作るの?

マウスピース型矯正装置では、デジタル技術と歯科技工の考え方が深く関わっています。
近年は、口腔内スキャナーで歯型をデータ化し、パソコン上で歯の移動をシミュレーションし、それをもとにマウスピース型装置を製作する流れが広がっています。

このような工程では、次のような作業が行われます。

  • 歯列データの取得
  • 治療計画に基づく歯の移動設計
  • アタッチメントやトリミングラインの確認
  • 3Dプリンターによる模型製作
  • マウスピースの成形
  • 装置の仕上げや確認

ただし、デジタルで作れば自動的にいい治療になるというわけではありません。
マウスピース型矯正装置は、あくまで矯正治療のための道具です。
治療経過を左右するのは、診断、治療計画、歯の動きの予測、患者様の使用状況、定期的な確認です。
歯科技工士の仕事も、昔ながらの手作業だけではなく、今はパソコン上での設計、3Dデータの扱い、材料の特性を理解した製作へと広がっています。

矯正歯科は、デジタル化がかなり進んでいる分野です。
しかし最後は、人間の診断力と技術が必要です。ここは今も変わりません。

小児矯正の装置にも歯科技工士は関わる?

小児矯正で使う取り外し式装置や拡大装置にも、歯科技工士が関わることがあります。
お子様の矯正治療では、歯並びだけでなく、顎の成長、歯の生え替わり、噛み合わせ、口呼吸、舌の癖なども見ていきます。

使用される装置には、次のようなものがあります。

  • 顎の幅を広げる装置
  • 前歯の位置を整える装置
  • 噛み合わせを誘導する装置
  • 舌や唇の癖に配慮した装置
  • 夜間に使用する取り外し式装置

これらの装置は、患者様の歯型やデジタルデータをもとに作られます。
ただし、小児矯正の装置は「入れれば必ず顎が広がる」「使えば必ず抜歯を避けられる」というものではありません。
成長の個人差、使用時間、歯の萌出状態、骨格的な問題によって、治療の反応は異なります。
装置を作る技術も大切です。
しかし、それ以前に大切なのは、どの時期に、何を目的として、どの装置を使うかという診断です。

スポーツ用マウスピースも矯正歯科と関係がある?

歯並びや噛み合わせを考慮して作るという意味で、スポーツ用マウスピースは矯正歯科とも関係があります。
ラグビー、ボクシング、格闘技、アメリカンフットボールなどでは、歯や口の中を守る目的でマウスピースが使われます。
市販品もありますが、歯科医院で作るスポーツ用マウスピースは、歯型や噛み合わせに合わせて製作します。

特に、矯正治療中の方や成長期のお子様では注意が必要です。
歯が動いている途中、矯正装置が入っている、歯の生え替わりがある、顎の成長が続いている、噛み合わせが変化しているといった場合、マウスピースが合わなくなることがあります。

マウスピースを使えば、歯や顎のケガを完全に防げるわけではありません。
目的は、口腔内の外傷リスクを軽減することです。

合わないマウスピースを無理に使うと、痛みや違和感が出たり、装置に干渉したりすることがあります。
矯正治療中にスポーツ用マウスピースが必要な場合は、担当医に相談した方がいいでしょう。

顎顔面補綴と矯正歯科は関係がある?

顎顔面補綴は、矯正歯科とは分野が異なります。
ただし、顎や顔面の形態、噛み合わせ、発音、食べる機能に関わるという点で、歯科医療全体と深くつながっています。
顎顔面補綴とは、先天的な要因、腫瘍、外傷、炎症などによって失われた顎や顔面周囲の組織を、人工物で補う分野です。

対象となるものには、次のようなものがあります。

  • 顎義歯
  • スピーチエイド
  • エピテーゼ
  • 口蓋欠損に対する補綴装置
  • 顔面の一部を補う人工物

これは非常に専門性の高い分野です。
一般の歯科医院ですべて対応するというより、歯科大学病院や専門施設で扱われることが多い領域です。
矯正歯科でも、顎の成長、歯列、咬合、発音、口腔機能を考える場面があります。
その意味で、歯科技工士の仕事は、単に歯を作るだけではなく、人の生活機能を支える仕事でもあります。

矯正歯科における歯科技工士

歯科技工士は、銀歯や入れ歯だけを作る職業ではありません。
矯正歯科の現場でも、装置やリテーナー、マウスピース、デジタル技工を通じて、患者様の治療を支えています。
矯正治療は、歯科医師が診断し、治療計画を立て、歯を動かしていく医療です。
その計画を実際の装置として形にする場面で、歯科技工士の技術が必要になります。

患者様からは見えにくい仕事です。
でも、矯正治療の裏側には、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、それぞれの専門性があります。

私は矯正歯科専門医として、患者様にこうお伝えしたいです。

矯正治療は、装置を入れれば自動的に進むものではありません。
診断、設計、装置の精度、患者様の協力、定期的な管理が重なって進んでいきます。

リテーナーが合わない。
マウスピースが浮く。
装置が痛い。
壊れた。

そういう時は、遠慮せずに相談してください。

装置は、作って終わりではありません。
お口の変化に合わせて確認し、必要に応じて調整し、長く管理していくものです。

監修者

院長 神崎 寛人
経歴 東京歯科大学卒業 歯科医師国家資格取得

東京歯科大学矯正学講座

日本矯正歯科学会認定医 取得

こうざき歯列矯正クリニック開業

医療法人社団OMS 理事長就任

日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医) 取得

ポーラスター矯正歯科センター北 名称変更

日本歯科専門医機構認定矯正歯科専門医
資格 歯科医師
所属歯科学会 日本矯正歯科学会
主なリスクと副作用

痛み・治療後の後戻り・歯根吸収・歯髄壊死・歯肉退縮

その他のリスク・副作用等

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

【矯正治療により生じるリスクや副作用について】
1.矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。
2.歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
3.矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者の協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に大きく影響します。
4.治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、更に一般歯科医による定期的な診察が大切です。また、歯が動くと隠れていた虫歯があることが判明することもあります。
5.歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
6.極まれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
7.極まれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
8.矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
10.治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
12.矯正歯科装置を誤って飲み込む可能性があります。
13.矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.動的治療が終了し矯正装置が外れた後に、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
15.動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置(リテーナー)を指示通り使用し、歯の位置の変化を抑制しないと、歯並びや咬み合せの「後戻り」や「新たな変化」が生じます。
16.アゴの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことはできません。
19.治療の効果が予測と一致しているか確認するため、定期的に診察や検査を行う必要があり、合併症・副作用が発生した場合は、治療方法や使用する矯正装置を変更する場合があります。
【矯正治療と併用する治療方法に関して】
1.不正咬合の改善や将来的に起こりうる口腔内の変化を減少させる等の理由で、歯の抜歯や粘膜、骨格に対する口腔外科手術が必要となる場合があります。
2.矯正治療の過程において、歯の移動効果の容易化や歯の連続性の維持、その他の治療効果の発揮のため、一定期間に全部又は一部の歯に矯正治療用アタッチメントを接着する必要がある場合があります。
3.矯正治療の過程において、歯の移動のための空隙創出のため、歯の抜歯や切削が必要となる場合があります。
4.矯正治療において、歯の形態修正が必要となる場合があります。
5.歯の移動により咬合の変化が生じ、顎の関節に対する保護や治療が必要となる場合があります。
6.治療計画の変更や中断を抑制するために、矯正治療前にう蝕や歯周病に対する治療が必要となる場合があります。
7.上記により、治療計画の延期や休止、中断が必要となる場合があります。
【矯正装置の装着により生じる一般的な副効果に関して】
1.矯正装置の装着後及び着脱動作中、歯肉、舌、頬及び唇に、擦り傷又は痛みが生じる可能性があります。
2.矯正治療開始直後及び途中に歯の痛みを経験します。
3.矯正装置の装着により、患者の発語および発音に影響を与える可能性があります。
4.矯正装置の使用により、一時的に唾液分泌の増加若しくは口の渇きを経験する可能性があります。
5.治療中に噛み合わせが変化し、患者によっては一時的な不快感を感じる可能性があります。
6.矯正装置の使用により、頭部や首の関節及び筋肉、耳それぞれにおいて障害(運動、感覚、疼痛)が生じる可能性があります。
7.治療中、歯根長の短縮が生じる可能性があります。
8.治療中、歯の変色及び着色が生じる可能性があります。
9.装着する矯正装置等を、患者が誤飲又は吸引してしまう可能性があります。
10.矯正装置の装着が、歯、歯槽骨又は歯肉及び歯髄の健康状態に影響を与える可能性があります。
11.矯正装置を除去後、想定外の位置に歯が移動する可能性があります。
12.矯正装置により自浄性が損なわれるため、虫歯や歯周病予防を患者自身が積極的に行う必要があります。
13.矯正装置が破損する確率を下げるため、食事の内容に制限があります。
14.無意識での歯ぎしりやスポーツ等での食いしばりがある場合、矯正装置が破損する可能性が高くなり、矯正装置の破損による痛みや不快感、計画外の治療が必要となる可能性が高まります。
【患者の素因又は治療歴に由来する事柄に関して】
1.特殊な形状の歯が存在する場合、無意識での歯ぎしりやスポーツ等での食いしばりがある場合、治療期間の長期化又は治療結果に悪影響を与える可能性があります。
2.重度の不正咬合および歯列不正がある場合、矯正装置等の破損の可能性が高くなります。
3.複雑な咬合や歯列、およびそれらを含む骨格性の不正咬合の治療は、複数の治療法や矯正装置の付属品を併用する必要があります。
4.重度の歯列不正がある、患者自身での矯正装置の着脱が著しく困難となる場合があります。
5.過去の歯の疾患の治療により治療を受けた歯に関しては、再治療や追加治療、対象部位の周辺を含む範囲への歯科治療が必要となる可能性があります。
6.歯冠が短い場合は、歯の移動に制約が出ることがあり、歯肉への治療により歯を長くする事が必要となる場合があります。
7.矯正治療中に歯肉の位置が変わる事があり、それが事前に予測できない場合があります。
8患者の既存の歯科修復物(補綴物)に対し、交換や形態修正が必要となる可能性があります。
9.使用する矯正装置や器材により、アレルギー症状が生じる場合があります。
10.患者本人の生活習慣や健康状態、医薬品の服用や喫煙や飲酒等の嗜好品が治療効果に影響を与える可能性があります。
11.患者本人の成長や遺伝的傾向により、矯正治療開始前に予測できない変化が治療計画に影響し、計画の変更が必要となる可能性があります。
【矯正治療計画および装置装着・使用方法に関して】
1.患者本人や家族が、治療計画に関して歯科医師およびその他の職員の指示に従わない場合や、矯正装置の使用方法の指示に従わない場合は、治療期間の著しい長期化又は治療結果に悪影響を与え、歯科医師の判断により治療を中止する場合があります。
2.矯正治療において、歯の移動速度および移動範囲に限界があり、事前に予測が困難な場合があります。
3.適正な着脱方法を行わなかった場合、矯正装置が破損変形し再製作が必要となる場合があります。
4.患者本人が、計画的に通院しない場合や計画外の事態が生じた事を連絡しない場合、治療期間の著しい長期化または治療結果に悪影響を与える場合があります。

当院における矯正治療は、検査結果から得られた内容を歯科医学的根拠に基づき立案し、歯の移動計画から適切に選択した矯正装置を用いて行います。使用する矯正装置は、主治医が効果や安全性などについての歯科医学的判断を行い、医院内外で作製された矯正治療器具を治療に使用します。患者本人に使用する機材のほとんどは、日本国内の法律で承認・認証を受けた機材を使用しますが、一部の歯科用機材に関しては海外にて製造および加工されたものも含めて使用し、医薬品副作用被害救済制度の対象にはならず、歯科医師が責任を負い救済を行うものとします。

ポーラスター矯正歯科センター北(こうざき歯列矯正クリニック)横浜

〒224-0003
横浜市都筑区中川中央1-29-2 グランドメゾン・センター北 2F
(センター北駅 出口2より 徒歩1分)
平日 10:30~13:00/15:00~19:00 
土日 10:00~13:00/14:30~18:00
休診日:木曜・祝日・日曜(特別診療日あり)・月曜(不定休)

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