医療機関のホームページが分かりにくい理由

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コラム

医療機関のホームページが分かりにくい理由

矯正歯科のホームページ表現と医療広告ガイドラインについて

最近、病院やクリニックのホームページを見ていて、こう感じたことはありませんか。

「なんだか表現が遠回しだな」
「もっとはっきり書いてくれれば分かりやすいのに」
「結局、自分にはどの治療が合うのか分からない」

これは、とても自然な感覚だと思います。
私自身も、患者さんの立場で読めば、もっと具体的に書いてあった方が分かりやすいと感じる部分はあります。

ただ、医療機関のホームページで使われる言葉が、最近少し抽象的になっているのには理由があります。
それは、医療機関がホームページで情報を発信するときには、医療広告ガイドラインを踏まえた表現が求められているからです。
矯正歯科も例外ではありません。
歯並び、かみ合わせ、顎の成長、口元の印象、治療期間、治療後の変化。
これらはすべて、患者さん一人ひとりの状態によって異なります。

同じように見える歯並びでも、骨格、歯の大きさ、歯を支える骨の状態、年齢、成長の有無、むし歯や歯周病の状態、生活習慣、治療への協力度によって、治療方針も経過も変わります。
ですから、ホームページ上であまりに具体的に、あるいは強い表現で書いてしまうと、読んだ方がこう受け取ってしまうことがあります。

「自分も同じように治るんだ」
「この装置を使えば必ず短期間で終わるんだ」
「この方法なら誰でも同じ結果になるんだ」

しかし、医療において「誰でも同じ結果になる」ということはありません。
これは、矯正歯科に限らず、医科でも歯科でも同じです。

なぜホームページでは断定的な表現ができないのか

矯正治療は、単に歯を並べるだけの治療ではありません。
歯を動かすということは、歯の周囲にある骨や歯ぐき、かみ合わせ、顎の関節、筋肉の使い方、舌や唇の癖など、さまざまな要素に関わります。
そのため、治療前に分かることもあれば、治療を進めながら慎重に確認しなければならないこともあります。

例えば、次のような点は患者さんごとに異なります。

  • 歯の動きやすさ
  • 顎の成長の方向
  • 抜歯が必要かどうか
  • 治療にかかる期間
  • 装置の適応
  • 治療中の痛みや違和感の感じ方
  • 治療後の後戻りのしやすさ
  • 清掃状態やむし歯・歯周病のリスク

つまり、「この治療をすればこうなります」と一言で言い切ることは、患者さんにとって分かりやすい反面、誤解を生む可能性もあります。
医療広告ガイドラインでは、患者さんが医療を選ぶ際に誤認しないよう、表現の仕方に注意が求められています。
誇大な表現、断定的な表現、比較優良と受け取られる表現、体験談や治療前後の写真の使い方などには、特に慎重さが必要です。
これは、医療機関を守るためだけのルールではありません。
本質的には、患者さんを守るためのルールです。

「分かりにくい表現」には、患者さんに誤解させないための配慮

ホームページを作る側としては、本当はもっと分かりやすく伝えたいのです。

たとえば、矯正治療について、

「歯並びがきれいになります」
「横顔が整います」
「短期間で治療できます」
「痛みが少ないです」
「目立たず治療できます」

このように書けば、読みやすいかもしれません。
しかし、こうした表現は、患者さんによっては「必ずそうなる」と受け取られる可能性があります。
実際には、治療結果や治療期間、装置の適応、治療中の感じ方には個人差があります。
そのため、医療機関のホームページでは、

「改善を目指します」
「状態に応じて検討します」
「適応については診査・診断が必要です」
「治療期間には個人差があります」
「リスクや副作用についても確認が必要です」

といった表現になることが多くなります。
患者さんから見ると、少し歯切れが悪く感じるかもしれません。
でも、それは曖昧にしているのではなく、医療として正確に伝えようとしている結果でもあります。

新しい治療法や装置名にも、表現上の制限があります

最近は、矯正歯科でもさまざまな装置や方法が使われるようになりました。
透明なマウスピース型の装置、デジタル技術を使った診断、口腔内スキャナー、3Dシミュレーションなど、患者さんにとって聞き慣れた言葉も増えてきました。
ただし、一般の方が普通に知っている商品名や治療法名であっても、日本の医療制度や薬機法上の扱い、承認状況、広告上の制限などによって、ホームページ上で自由に表現できない場合があります。

「みんなが知っている名前だから書いてよい」
「他の医院が書いているから書いてよい」

とは限りません。

医療機関として情報を出す以上、その表現が患者さんに誤解を与えないか、法律やガイドライン上問題がないかを確認する必要があります。
そのため、患者さんから見ると、聞き慣れない一般名や説明的な表現になっていることがあります。
これは、あえて難しくしているわけではありません。
ルールの中で、できるだけ正確に、そして誤解が少ない形で伝えようとしているためです。

矯正歯科のホームページを見るときに大切なこと

矯正歯科医院のホームページを見るとき、患者さんには次の点を意識していただきたいと思います。

  • 自分と同じ症例かどうかは、診察しないと判断できない
  • 治療期間や費用は、診断後に具体化する
  • 装置にはそれぞれ適応がある
  • どの治療にもメリットと注意点がある
  • 「簡単」「必ず」「絶対」などの表現には注意が必要
  • 医院選びでは、説明の丁寧さや診断の過程も確認する

矯正治療は、患者さんの人生の中でも長く関わる医療です。
見た目だけでなく、かみ合わせ、歯の寿命、清掃性、将来の安定性にも関係します。
だからこそ、ホームページだけで全てを判断するのではなく、実際に相談し、検査を受け、診断内容を確認することが大切です。

抽象的な言葉の裏側には、誠実に伝えたいという考えがあります

私は、医療機関のホームページは、ただ患者さんを集めるためのものではないと考えています。
もちろん、医院の存在を知っていただくことは大切です。
どのような診療をしているのか、どんな考え方で治療に向き合っているのかを伝えることも必要です。
しかし、それ以上に大切なのは、患者さんが正しい判断をするための情報を届けることです。
医療は、商品を選ぶこととは違います。
同じ装置、同じ治療名であっても、患者さんの状態によって意味が変わります。
ですから、ホームページの言葉が少し慎重に見えたとしても、その背景には、

「誤解させたくない」
「過度な期待を持たせたくない」
「診断前に安易なことを言いたくない」
「患者さんに正しく選んでほしい」

という考えがあります。
分からない言葉があれば、そのままにしないでください
医療広告ガイドラインに配慮して情報を発信すると、どうしても専門的な言葉や、少し回りくどい表現が出てきます。

「これはどういう意味ですか?」
「自分の場合にも当てはまりますか?」
「この装置は使えますか?」
「治療期間はどのくらいを考えればよいですか?」
「リスクや注意点も知りたいです」

そう感じたときは、遠慮なくご相談ください。
ホームページは、あくまで入口です。
本当に大切なのは、患者さん一人ひとりのお口の状態を確認し、その方に合った治療方針を考えることです。
矯正治療には、年齢、歯並び、かみ合わせ、骨格、生活背景など、さまざまな要素が関わります。
だからこそ、画面上の情報だけで判断するのではなく、直接確認しながら一緒に考えていくことが大切です。

最近の医療機関のホームページが抽象的に感じられるのは、決して不親切だからではありません。
むしろ、患者さんに誤解を与えないように、そして医療として誠実であるために、表現を慎重に選んでいるからです。

矯正歯科について分からないこと、不安なこと、気になることがあれば、そのままにしないでください。
患者さんご自身が納得して治療を考えられるよう、できるだけ分かりやすくご説明いたします。

ポーラスター矯正歯科センター北(こうざき歯列矯正クリニック)横浜

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