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コラム
矯正治療で歯の根が短くなる?歯根吸収の原因と予防策を矯正専門医が解説
矯正治療で歯の根が短くなる?「歯根吸収」の正体とは
矯正治療は歯を動かす過程で骨の代謝を利用する治療です。しかし、歯の根(歯根)が過度な力で刺激を受けると、**「歯根吸収」**と呼ばれる現象が起こることがあります。
歯根吸収とは、歯の根の先端が少しずつ短くなる状態のことで、通常はごく軽度で問題ありませんが、進行すると歯の寿命に関わることもあります。
歯根吸収が起こる原因
歯根吸収の原因は1つではなく、次のような要因が重なって生じます。
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過剰な矯正力:短期間で歯を動かそうと強い力をかけると、根の先端の細胞が損傷する。
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歯の形態・個体差:もともと歯根が細い、湾曲している場合はリスクが高い。
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過去の外傷・根管治療歴:歯の神経が弱っている歯は吸収しやすい。
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治療期間の長期化:長く矯正治療を続けることで慢性的な負担がかかる。
どんな症状が出るの?
実際には、歯根吸収は自覚症状がほとんどありません。
「噛んだ時の違和感」「歯の動揺」などが出ることもありますが、多くは定期的なレントゲン検査で偶然見つかるケースです。
このため、矯正治療では6〜12か月ごとにX線検査を行い、進行を早期に把握することが重要です。
矯正専門医が行う歯根吸収の予防策
歯根吸収を完全に防ぐことはできませんが、次のような工夫でリスクを最小限にできます。
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デジタルシミュレーションによる精密計画(3D診断)
→ 適切な力の方向・移動量をAIで可視化。 -
段階的な弱い力のコントロール(ライトフォース矯正)
→ 無理に歯を動かさず、代謝に合わせた調整。 -
前歯の移動には慎重な対応
→ 前歯をたくさん動かす人は特に注意が必要。 -
定期的なCBCTのスキャン管理
→ 経過観察を数値化し、リスクの見える化。
出っ歯の人は注意が必要!
出っ歯で前歯が出ている人は、前歯の歯根の移動量が多く、歯根への負担も少なくはありません。
このため、矯正治療での移動に対する耐性が弱く、歯根吸収のリスクがやや高まる傾向があります。
矯正治療に前歯の移動が含まれる場合には、矯正前のCBCT撮影や治療計画の慎重な検討が欠かせません。
まとめ|正しい知識と計画で歯を守る矯正治療を
歯根吸収は「正しく管理されていれば問題のない現象」です。
しかし、根管治療済み歯がある場合や、短期間での急な歯の移動はリスクが高くなります。
ポーラスター矯正歯科センター北では、歯科用CBCTやiTeroスキャンを活用し、歯の根を守る矯正治療を実践しています。
筆者:ポーラスター矯正歯科センター北 院長 神崎寛人
(日本歯科専門医機構 矯正歯科専門医 神崎 寛人)

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