矯正治療は何歳まで受けられますか?

院長の神﨑です。

矯正装置によって歯に力が加わると歯が動くのは、子供でも大人でも同じことです。
硬い顎骨の中を歯が動くしくみは、歯や歯茎を支える歯槽骨が溶けて柔らかくなったり、骨成分が添加されて硬くなったりを繰り返す代謝によって起こります。

したがって、歯槽骨に問題がなければ基本的には何歳でも矯正治療を受けることができます。

ただし、大人は子供に比べて代謝が低く、歯周病に罹患している可能性もあります。
骨代謝が低いと歯が動くスピードが遅かったり、歯周病があると矯正治療を始める事前処置に時間がかかったりします。
歯周病の状態で矯正治療を行うと、歯槽骨が溶けたまま添加が起こらず、ますます骨量が減少し、結果として歯茎の位置が下がり歯と歯の隙間が大きく目立つ原因になります。

以上を踏まえた上で、見た目の改善だけではなく、歯並びの改善による歯周病や虫歯予防の観点から、矯正治療を検討することはとても有意義です。

よく噛める健康な自分の歯があることが、心身の健康によい影響を及ぼすことが世間に広く知られてきたこと、歯に対する健康や美意識の高い方が増えたことによって、矯正治療を検討されるシニアが増えてきています。

「矯正治療は子供の治療」と諦めてしまう前に、矯正歯科の専門医に一度ご相談ください。

ブラックトライアングルってなんですか?

院長の神﨑です。

ブラックトライアングルとは、歯と歯の間と歯茎に囲まれた部分できる三角形の隙間です。
お口の中は暗く、その隙間が黒い三角形に見えるのでブラックトライアングルと言われます。このような状態になると、特に前歯部では審美障害、発音障害(会話時に空気が漏れる)、プラークや食物の停滞などといった様々な障害がおこります。

 

ブラックトライアングルの原因には、いくつかの要因が挙げられます。

① 歯肉炎や歯周病によるもの

細菌が産生する毒素によって歯茎が腫れた状態の歯肉炎が、歯を支える骨(歯槽骨)にまで達して歯周病へ進行すると、歯槽骨が次第に溶けて破壊され、骨の高さが低くなります。
その上に付着する歯茎の位置も同様に下がることで、ブラックトライアングルができます。
炎症による歯茎の腫れにより三角形の隙間が目立たないことが多く、治療によって歯周病が改善され歯茎の炎症が治まり腫れが引くことで、ブラックトライアングルが目立つ場合もあります。 

 

② 加齢によるもの

加齢により代謝が低下することで、歯を支える骨や周辺組織の細胞活性が下がり、歯槽骨の高さは低くなっていきます。
そのため、加齢とともに歯茎が退縮しブラックトライアングルが形成されます。

 

③ 咬合性外傷によるもの

過度の咬合力や干渉により、歯だけではなく、それを支える骨や周辺組織に損傷が生じることでブラックトライアングルが形成されます。

 

④  歯磨き方法によるもの

硬い歯ブラシを使ったり、強い力で磨いたりし過ぎると、歯茎を傷つけてしまいブラックトライアングルが形成されます。

 

⑤  体質によるもの

歯槽骨がもともと薄い人、歯肉がもともと薄い人、歯の形が三角形に近い人は、そうでない人に比べてブラックトライアングルが形成されやすい傾向にあります。

 

⑥  矯正治療によるもの

でこぼこしていた歯並びでは、その間の歯肉も重なって隙間が見えていない状態だったため、歯を正しい位置に並べることで歯茎の隙間であるブラックトライアングルが目立つようになるケースや、成人のワイヤーによる歯列矯正治療では、骨吸収と骨形成という仕組みを使って歯を正しい位置に並べ替えるため、骨吸収により溶けた歯槽骨が代謝の低下によって元の状態まで再生されず、歯茎が下がってブラックトライアングルが形成されることがあります。

 

ブラックトライアングルの改善方法としては、結合組織移植などの歯周外科処置、咬合調整(原因が外傷性咬合の場合)、IPR(歯冠形態修正)などで解決できます。​

IPRは、歯と歯の間を0.1~0.5ミリ程の範囲でやすりがけする方法で、IPRを行ったあと隙間を閉じることによりブラックトライアングルが目立ちにくくなります。

矯正治療後のリテーナー(保定装置)はいつまで続ければいいですか?

院長の神﨑です。

矯正治療が終わった直後の歯は、歯根を支える顎骨が柔らかく動きやすい状態です。
そのまま何もしないと綺麗に整った歯並びが崩れてしまいます。
長い時間をかけてゆっくり歯を移動させていく矯正治療ですが、歯は何もしなくても一生を通じて動き続ける性質があります。
身体の中で変化しない部位は存在しないのです。
リテーナーは、歯の安定や保持をするために必要不可欠であり、歯が動きやすい状態が安定するまでは特に続けることが望まれます。

 

リテーナーは後戻り期間の矯正を担う第2の矯正装置であり、リテーナーが使えない場合はブラケットが必要です。
というのも、リテーナーの役割は、矯正治療後の歯が動きやすい期間に、歯が動かないように固定するものです。
この期間もブラケットを外さずにそのまま矯正治療を続けても問題ありませんが、歯を動かす力は必要ないため、ブラケットのような固定式ではなく、リテーナーのように取り外しできる装置でも対応できるのです。
ブラケットを長く続けた場合は、見た目はもちろん、虫歯になってしまうリスクも高いため、歯を動かす治療が終わり、固定する治療の時期が来たらリテーナーを選択するのが一般的です。

 

さて、リテーナーの使用期間についてですが、答えは一生です。

先ほどお話した通り歯は何もしなくても一生動き続けるので、綺麗に仕上がった歯並びをそのまま維持したければ、リテーナーは使い続ける必要があります。
しかし、12時間〜24時間使用する必要がある期間は、矯正治療後の顎骨が柔らかい時期だけです。

矯正装置除去後、6ヶ月は24時間、6〜12ヶ月は12時間リテーナーを使用してください。

1年経過後は在宅時、1年半〜2年目以降は就寝時に使用してください。

 

柔らかかった顎骨が硬くなり歯並びが安定するまでは、矯正治療にかかった時間と同じ時間が必要と言われています。
2年間歯を動かしていたら、2年保定、3年間歯を動かしていたら、3年保定が必要です。安定してきたら週の半分就寝時に使用を続けることをお勧めします。

 

リテーナーを全く使わなくなると、歯並びは100%崩れてしまうことを認識してください。リテーナーは、歯のパジャマです。

毎日使う習慣をつけましょう。

綺麗なお肌を維持するために毎日化粧水や美容液を使うように、綺麗な歯並びを維持するためにリテーナー使う努力が必要です。

 

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