アライナー矯正とワイヤー矯正

数年前から当院では、矯正治療の方法が大幅に変わってきました。
ワイヤー矯正からカスタムメードマウスピース矯正(以下アライナー)での治療を受けています。
昨年当院で矯正治療を開始した患者さんでは、過半数の方がアライナーを選んでいます

ワイヤー矯正とは、歯に針金を付け、その針金の弾力を利用して歯の位置を変える矯正治療です。
アライナーとは、一人一人の歯の形に合わせた透明なマウスピースを作り、そのマウスピースの弾力で歯を動かす方法です。
ワイヤーもマウスピースも素材の弾力を利用すると云う点では、同じ原理です。
多少特徴の差はありますが、どちらも治療の結果に差はありません。

ワイヤーの矯正は100年前から原理は同じです。
アライナーも基本的な構造は50年前から変わっていませんが、決定的な違いがあります。
ワイヤー矯正は、患者さんがクリニックに来てから、その日の状態を見て、歯科医師が何をするか考えます。
アライナー矯正は、治療を始める前に「○月○日には、どの歯が何mm動く様にする」という非常に細かいスケジュールを立てて治療を始めます。

学校も仕事も、行き当たりばったりでは良い結果になりません。
正確な計画がある程、確実な結果が得られます。
以前は、歯科医師の勘と経験が毎回必要でした。
残念ながら「勘違い」や「未経験」が無い人はいません。

一人一人の治療が確実に良い結果を得るには、「昔ながら」よりも「確実さ」が必要です。
歯並びを綺麗にするもう一つの選択肢がアライナー矯正です。

では、なぜ最近ではアライナー矯正を提案して、患者さんはそれを選ぶのでしょう?

理由は、矯正治療で患者さんが受ける負担が、アライナーの方が少ないからです。

私自身もワイヤー矯正の経験があるのですが、ワイヤーでの矯正は、何も考えずに普通に食事する事で、歯に付けたアタッチメントが外れる事があります。
そうするとワイヤーが頬や歯ぐきに刺さるので食事がし難くなります。

どんなに忙しくても、食事はぬけませんので、時間を作って来て頂く必要があります。
また、刺さってなくても、外れた事で治療は後退してしまいます。
なのでいずれにせよ、時間を作って来て頂く必要があります。

一方、アライナーの場合、状況だけ教えて頂ければ、必ずしも急いで来て頂く必要はありません。
もちろん例外はありますが、殆どの場合は食事にも影響しません。

ワイヤー矯正は、実績もあり優れた矯正装置なのですが、忙しい現代人のライフスタイルに合うかは疑問ですね。

矯正の終わりとは?

こうざき歯列矯正クリニック 院長の神崎です。

よく「早く矯正を始めれば、早く終わりますか?」と聞かれます。

何事も早くから準備しておくに越した事はありませんが、早ければ早い方が良いとは限らない事もあります。

子供の場合、奥歯が生え終わる前に前歯を治しても、奥歯が後から生えてきた時に前歯がズレる事があります。

生えていない歯は動かせないので、運を天に任せるしかありません。やみくもに早ければ良いという訳ではありません。

また大人でも、ライフスタイルによってタイミングや方法が変わると思います。就活や仕事、結婚や出産など人生には色々あります。

いつ始める方がメリットがあるか、効果的な時期があるかは、一人一人みんな違うと考えた方が良いと思います。

 

そして更に「矯正はいつ終わりますか?」

これもよく聞かれます。

一言で言うと、患者さまが通院を望まなくなった時が通院の終了です。

矯正治療の終了は、一般的には永久歯の歯並びと噛み合わせが標準的な位置になった時ですが、ほぼ全ての方はその後も通院しています。

永遠に治療が続くという意味でしょうか?

それは違います。

生き物の体は一生変化するため、一度並んだ歯並びや噛み合わせが変化しなくなる日は来ません。ご本人が希望しない場合を除き、せっかくキレイになったはをキープしていきます。

実際には…

おおむね標準的な歯並びや噛み合わせになった時に、患者さま(または保護者)にもっと治したいところがあるか伺います。
満足しているという事であれば、「歯を動かす治療」は終わります。

そこからが「歯が変化していないか確認」を行なっていきます。
いわゆる定期検診です。

歯並びの変化を抑えるリテーナーを使って頂いて1年に1回、または年に数回定期検診に通って頂きます。

この定期検診には「終わり」がありません。

ただの確認で通って頂いても良いですし、もっと歯をキレイにしたい人はホワイトニングをする方もいらっしゃいます。
虫歯や歯周病を防ぎたい人は口の中全体のクリーニングをします。

つまり、「良かった!」には終わりがありません。

矯正治療中に妊娠したら、どうなりますか?

院長の神﨑です。

既に矯正装置をつけて動的治療をしているのであれば、妊娠しても特に差し障りはありませんが、妊娠中期の安定期までがよいでしょう。

​妊娠初期では、エックス線撮影や処方する薬剤に制限があります。

妊娠後期(臨月)では、お腹が大きくなり仰向けでの診療で静脈が圧迫されて血圧が低下してしまう恐れがあるため、治療が必要な場合も出産後落ち着いてから、改めて治療を再開するようにしています。

​​妊娠前後はホルモンのバランスが変化するため、普段より歯茎が腫れやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

​​生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中は無菌状態で虫歯の原因菌は存在しません。ではなぜ人は虫歯になってしまうのでしょうか?虫歯の原因菌は身近な周囲の大人から移ってしまう場合がほとんどで、赤ちゃんと接することの多いお母さんは、赤ちゃんに虫歯を移してしまわないように特に気をつける必要があります。

また妊婦さんが歯周病の場合、早産・流産・低体重児のリスクが高くなることが分かっています。

安全な出産のため、生まれてくる赤ちゃんのためにも、日頃の歯磨きを丁寧に行なっていただき、健康な歯を守ると同時に赤ちゃんの健康も守りましょう。

矯正歯科治療と審美歯科治療は何がちがう?

院長の神﨑です。
 
同じ歯科治療でも、方法が全く異なります。

矯正歯科治療は、咬み合わせや歯並びを、矯正装置をつけてゆっくりと歯を動かすことで機能的、審美的に理想的な状態へ整えていく歯科治療です。
患者さんの歯を生かすことを最優先するため、基本的に治療中に大きく歯を削ることありません。

一方、審美歯科や美容歯科と呼ばれている歯科治療は、歯を削って人工物をかぶせる等の方法で短期的に見た目だけをよくする方法です。
“セラミック矯正”などと広告でうたっている美容歯科医院も多く見受けられますが、厳密には矯正とは言えません。
歯並びを早く治したいという人には数回の通院で治療が終わる審美歯科治療は魅力的かもしれませんが、人工歯をかぶせるために削った歯は2度と戻ってこないこと、また歯にかぶせた人工物は必ず作り変えが必要になることなど、治療を受ける前にきちんと理解しておくことが大切です。​

歯を抜かずに矯正治療できますか?

院長の神﨑です。

矯正治療で抜歯が必要となることは珍しくありません。
健康な歯をわざわざ抜くことに抵抗を強く感じる方が大多数だと思います。
もちろん、非抜歯で歯列を整えられる状態であれば、わざわざ歯を抜く必要はありません。

抜歯が必要となるのは、下記のような理由があるからです。

 

1. 歯を移動するスペース作り

日本人は顎が小さく歯が大きいため、顎に入りきらない歯が歯列からはみ出した状態で凸凹している方が多く見受けられます。
この凸凹を叢生(そうせい)と言います。
八重歯も叢生の一種です。
叢生を改善するために歯を間引く、つまり抜歯することがあります。

 

2. 標準的な歯の傾斜角度を目指すため

抜歯せずに無理やりアーチ状に歯を並べようとすると、スペースが足りない分アーチを外側(口唇や頬側)に大きく広げてスペースを稼ぎます。
その場合、歯の傾きが外側に倒れるため、理想的な傾きで歯をならべることができません。
傾きは機能的な噛み合わせを作る上で重要な要素の1つです。

 

3. 後戻りを軽減するため

スペース不足のアーチに無理やり歯をならべると、その分後戻りのリスクが高くなります。

 

4. 口元が出るのを避けるため

先ほど、抜歯せずに無理やり歯をならべるにはアーチを広げるとお話しました。

アーチが広がるということは、歯列全体が前方に突出することであり、その結果横顔の口元が盛り上がってしまいます。

 

当院では、患者様との共有意思決定(Shared decision-making in medicine:SDM)を目指します。
SDMとは、患者様と医師の両方が医学的な意思決定に貢献する過程をいいます。
我々歯科医師は患者様に様々な治療方法を説明し、患者様が自分の好みや独自の文化的および個人的な信念に最も合った治療法の選択肢を選べるようお手伝いいたします。

 

歯を抜かずに矯正治療を希望される方は、まずはご相談ください。

抱えている歯並びの問題を解決するために必要な治療方法を一緒に検討していきましょう。

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